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TOOL道具探究

第二話:焼入れ(前編)

焼きいれ後編です。
前回は鑿の鍛冶屋さん(舟弘さん)焼入れの大変さや命がけで簡単に作れるような物ではない話をしましたが、今回は、現在の國貞のルーツを継承された横坂さんのお話です。

今回あるお客様から依頼されて國貞鉋を特注オーダーで作っていただきました。実は当社の監査役がもともと國貞鉋の鍛冶屋さんだったのです。当社紹介に少し書いてありますが、その一番のお弟子さんが横坂正人さんです。
監査役いわく、こんな事書いて良いのか・・・?しかし、この際怒られる事を覚悟で書きます。あまり横坂さん器用では無いそうで、これがいいらしいです。
問屋さんに評判のいい商品を作る事と、使う人に評判の良い商品は違いといいます。器用な人は、簡単に作ってしますそうです。実に簡単に・・・しかし、不器用なだけに何べんも何べんも焼きを入れ、焼きを戻し繰り返し繰り返し・・・・・刃物を鍛えていきます、最高の刃を作る為だけに。

最高の切れ味を求め続ける加治屋さんが段々少なくなり、後継者不足も有り伝統を継承していく事も非常に難しくなって来ています。この伝統を残す方法はこれから真剣に考えていかないと、日本文化が保たれなくなるのでは・・・・・?

さて、今回ある私の親しくさせて頂いている大工さんに、うれしい言葉でこの仕事をお受けしました。「俺さぁ、最後にいい鉋一丁欲しいんだよね!お前処の國貞鉋ないの?」私の頭では一丁有った記憶がありました。「是非、國貞鉋使ってください。探してきますよ!」とね。
しかしそんなに甘くありません。監査役に聞いてみたところ。「無いよ!ダメだよ俺のは・・・」 えっえ~・・・・!!無いのかよぉ~こりゃ参ったなぁと思っていたら監査役が、「作ってもらえ横坂に」そうだそれは名案だぁ!!
「じゃお願いしてもいいですか?」で1ヶ月ちょっと・・・来ました来ました。念願の國貞鉋、実は私は鉋見てもよく分りません。見るだけでも長年の経験が要ります。監査役に「どうっすか出来上がってきた鉋?」ちょっとドキドキしながら尋ねてみると、「良い腕なったね、横坂も・・・・」って言ってました。最高の最後のかもしれない國貞鉋!!これは、自分で渡したいと思いその大工さんにTELしました。

「おいでよ!現場に居るから」そして台も無い鉋の刃だけ持って現場伺いました。
ちょっと気になるでしょ。

第一話:焼入れ(前編)

今回、無事クニサダオンラインをリニューアルできました。
まず、関係して頂いた方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。

この度『道具道よ!!』を連載していく事になりました。面白いかつまらないかは、職人さんや素人さんでも違います。 しかし、今の道具を客観的に評価、また、職人さんの意見など取り混ぜて話していきたいと思います。

今回は焼入れの事について、話してみたいと思います。

トップページをご覧になった方は「國貞」の名前の由来が鉋鍛冶だったって事を知ってもらえたと思います。私は鍛冶屋さんの経験がある訳ではありませんが、こんな感じで焼が入るのです。

上の写真、これが焼の入る順番で、左からキツネ色⇒紫色⇒青色⇒薄緑⇒黒色の様な色順で、キツネ色が約400度・紫色が約450度・青色が約500度・炭素分裂約800度、バネ(スプリング)として使う焼入れは450度~500度の間で焼を入れていきます(刃物として使う温度は、青色(400~450度)に入る手前が一番良いらしいけど・・・)。

ここからが本題!この焼入れの作業には「機械で何分焼を入れて・・・」みたいな事がありません。職人の培ってきた感覚が全て。素材だって毎回同じでは無いし、けれども作る物は同じわけ!!

前に、新潟与板の鑿の鍛冶屋さん(舟弘さん)に見学に伺ったことがあります。少なくても400度以上の赤く熱した鉄を叩いて、鑿の形にしていくわけです。その熱しられた鉄の固まり叩いた瞬間パッと火花が飛ぶわけです。私は熱いしビックリして避けてしまったわけです。そしたら職人さん何て言ったと思いますか? 『俺達はいつも熱いんだよ。避けられないしね。』と言ったんです。

その時、作業着の袖が火花でボロボロになってるのを見て「簡単に販売してはいけない。この良さを分かってくれる人に商品を渡さなければならない。鍛冶屋さんに失礼にあたる。」と思いました。

命掛けな仕事に、本当に敬礼です。

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